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ブログ「耕不尽(たがやせどもつきず)」

2024年04月27日 14:20

持分の払戻しの持分とは

今日は、持分の払戻しの持分について考えてみます。帳簿上の持分が次の状況の合同会社であり、損益の分配や残余財産の分配等について、定款に別段の定めがないことを前提とします。   資本金   資本剰余金  利益剰余金   合計A   100       0   100   200B   100       0     0   100 この合同会社は、AとBが100ずつ出資して設立しました。その後、決算を行い、200の損益(利益剰余金)が計上され、100ずつ分配を受けました。その損益につき、Bの請求により、Bには100の配当を行っています。 この合同会社において、Bが退社したため、持分の払戻しをするこ
2024年04月20日 14:59

債務超過の合資会社の無限責任社員の退社と相続

 先日、手元に届いた「旬刊商事法務」No.2356の商事法判例研究のコーナーに、和田優哉氏「合資会社の無限責任社員が債務超過時に退社した場合における対会社責任」が掲載されていました。これは、最判令和元年12月24日民集73巻5号457頁についての研究論文です。 今回も、合同会社の計算から離れてしまいますが、何卒、ご容赦ください。  この判例理由の中で、社員が負担すべき損失の額が当該社員の出資の価額を超えるときは、定款に別段の定めがあるなどの特段の事情がない限り、退社した社員は、会社に対してその超過額(以下、「社員についての債務超過額」という。)を支払わなければならないという内容があり、それに対
2024年04月13日 15:35

持分の差押債権者による退社の登記の添付書面

 しばらく、合同会社の「計算」の話を続けていこうと思っていたのですが、ちょっと気づいたことがあり、今回は合同会社の(業務執行)社員の退社の登記に関する添付書面のお話です。しかも、持分の差押債権者による退社(会社法609条)という、とてもマニアックな論点です。実務ではあまり関与することはないと思いますが、ご容赦ください。 実体法上の手続として、債権者は、6か月前までに合同会社及び持分差押えの相手方の社員(以下、「対象社員」とします。)に予告をしなければなりません。なお、対象社員が弁済等の対応をすれば、差押えの必要はなくなりますから、この予告はその効力を失うものとされています。 以上を前提として、
2024年04月06日 15:58

損失の処理と定款の記載

 前回は、損失のてん補と損失の処理についてを記述しました。 今回は、その損失の処理をした場合に、定款の記載は変更する必要はないのか、という点です。 このように抽象的に書くとわかりにくいかもしれません。私のように頭の固い人間は、具体的な事例で考えるとイメージしやすいので、前回の事例を使って考えていきます。 AとBはそれぞれ100万円を出資して社員となりました。定款にも出資の目的及び価額として、金100万円と記載されていたとします。 つまり、定款には、 住所 有限責任社員 A 金100万円 住所 有限責任社員 B 金100万円 という具合に記載されていました。再掲しますと、設立後Bが加入した段階の
2024年04月01日 13:42

損失のてん補と損失の処理

 さて、前回までの結果、この会社の各社員に計上された資本金の額等は次のとおりです。      資本金    資本剰余金   利益剰余金 A   100万円      0円    100万円 B   100万円      0円       0円 全体  200万円      0円    100万円 この合同会社において、2回目の決算が確定し、当期は200万円の赤字決算という結果になりました。定款に別段の定めがないため、この赤字分は各社員の出資の価額に応じて分配されました。これを反映した結果、次のような状態となりました。      資本金    資本剰余金   利益剰余金 A   100万円   
2024年03月27日 15:22

合同会社の社員加入時の計算

前回は合同会社設立時の計算のことを書きました。不定期になりますが、順次、新しい記事を書いていこうと思います。今回は、その合同会社に新しく社員Bが現金100万円を出資して加入したことを想定した計算のことを書いてみます。ただ、設立後、Bの加入前に、最初の事業年度が終了し、利益剰余金100万円が発生し、会社全体の資本金が100万円、利益剰余金が100万円の状態だという前提とします。この会社にBが100万円を出資して加入したら、どういう状態になるでしょうか。ただし、Bの出資は全額資本金に計上するものとします。もちろん、会社全体の資本金は200万円、利益剰余金は100万円となります。では、各社員毎にはど
2024年03月21日 18:32

合同会社の設立時の計算

 さて、このブログの最初のテーマは合同会社の設立時の計算です。どのようなテーマを書いていこうかと迷ったのですが、私のメインの研究課題が合同会社で、その会社法上の計算についてまとまった解説をしている書籍がほとんどないので、まずは、それを連載していこうと思いました。おそらく、基本的な内容が続きますが、連載が終了する頃には、会社法上の合同会社の計算の全体像がわかるようにしていきたいと思っています。想定事例を設けながら進めた方が、実感がわくと思いますので、次のような事例を想定します。「事例」 社員となろうとするものがA1名のみとする。Aが現金100万円を出資して、合同会社を設立する。この場合
2024年03月20日 14:54

ご挨拶

 開設以来、動かしていなかったこのサイトですが、せっかく立ち上げたサイトなので、少しずつ活用していこうと思い立ちました。ただ、思い立ったのはよいのですが、始めようと思ったブログの題名をどうしようかと思い悩み、結局、思い立ってから、しばらくの時間が経過してしまいました。 ある日、自宅の本棚を整理していたところ、学生時代に購入した書籍が出てきました。「耕不尽-地方自治に生きて―」(河北新報社編集局編)という書籍で、1969年から1989年まで宮城県知事を務められた山本壮一郎氏の回想記です。 私が生まれてから学生時代まで宮城県知事をされていらっしゃったので、当時、私にとっては、県知事といえば山本氏と

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